抄録
本研究は新しいクッション材を使用した家具のデザイン開発である。マットレスに使用されていた「中空ポリエチレン樹脂ウェーブクッション」に着目し、家具用のオリジナルクッション材を制作した。設計のための事前実験として、クッションの評価実験、変形実験、汚損実験、熱加工実験をおこなった。設計は3人用ベンチを制作した。オリジナルクッションの押出成形断面は600mm×65mmとし、表面・裏面・側面は高密度成形し、表面材としての緻密性をだした。一方、中央部は密度を粗にすることで、クッションの「柔らかさ」を追及した。この家具は椙山女学園大学生活科学部棟で14台を納品し、その後の経年変化を調査している。3年間を経過した時点でクッション性に変化はないが、ポリエチレン樹脂の変色は確認された。