情報コミュニケーション技術(ICTs)のソリューションが人々の日常的な活動を支えている。それらの多くは便利なものとして利用されている。しかし、人々の活動を豊かなものにしているとは言いがたい。その理由にデザインの不在がある。技術中心のアプローチに、人々の活動のビジョンを提供し、利用する人々の経験のかたちをソリューションに加えること、そのためにデザインが共同する開発が必要となっている。本稿では、市民の表現のためのプラットフォーム構築研究のもとで展開している、ミュージアム学習のための表現ツールのデザイン開発事例を示す。また、そこでのソリューションづくりに関わる情報デザイン領域が何を問題として扱い、何を形づくっているのか、その議論を紹介する。