2011 年 16 巻 1 号 p. 44-49
情報製品のデザインでは、製品の概念や用途を決めることに大きな比重がかかっている。使う局面を想像し、製品の見え方や振る舞い、使用者との対話のしかたを創造的に提案することによって、それが可能になる。一方製品を支えるコンピュータシステムにとっては、論理的な製品構築が要求される。これら二つの側面を高いレベルで融合できたときに、優れたデザインとなる。これが私たちの考えるインタラクションデザインである。インタラクションデザインの方法やプロセス自体はまだ確立しているとはいいがたい。本論は私たちが実際に行ったWebサービスサイトのインタラクションデザインのプロセスの中で起きたこととその意味を吟味する。