2015 年 20 巻 1 号 p. 1_108-1_113
本研究は、ワークショッププログラムをパッケージ化し、水族館以外の場所でも体験を通した観察や学びを実現するための手法について検討することを目的とする。その実証研究のひとつとして、病院に入院している子どもたちを対象にしたワークショップを企画設計し、そこでの観察や体験の仕方を検討してきた。今回実施したワークショップではオットセイを題材に、実際のオットセイの大きさや特徴を実感してもらうことをねらいとした実物大の段ボール模型を使用した。この模型には3ヶ所にセンサーを仕込み、体に触れると鳴き声がなるような仕組みになっている。この模型を用いることで、体験の要素が増えコミュニケーションのツールとして活用できることが確認できた。本論文では、本物の生物を感じとれる擬似的な体験のためのコンテンツ設計の事例について報告する。