デザイン学研究作品集
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地域映画づくり:ホームムービーを映画にする仕組み
8ミリフィルムが記録した暮らし
三好 大輔
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電子付録

2017 年 22 巻 1 号 p. 1_2-1_7

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抄録

本稿の主題は、地域に眠るホームムービーを活用した「地域映画づくり」である。示すのは、その土地固有の文化風習を色濃く残した「過去の文化資源」としてのホームムービー(8ミリフィルム)の集積を「地域映画」に仕立てあげ、「今日の文化資源」として活用するプロジェクトのデザイン方法である。地域映画づくりは、その制作過程を市民と自治体と専門家が協働することで、市民主体の地域活性化を創成する活動となる。また、それは地域で「生産(記録)」されたフィルムをその土地で「消費(活用)」する「文化資源の地産地消」サイクルを駆動するエンジンともなりうる。地域映画づくりは、そのサイクルを回すことで、人びとが地域社会の文化や歴史を味わい、そこに生まれる共感をとおして新たな社会をつくる文化プログラムとなる。本稿は安曇野市で行った「あづみのフィルムアーカイブ(2015~安曇野市)」を作品(プロジェクト)とし、それを事例とするデザインプロセスから論じるものである。

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© 2017 著作者
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