2017 年 22 巻 1 号 p. 1_78-1_83
本研究は、茨城県立土浦第三高等学校の改築にあたり、サイン計画も含めた全体の色彩計画を行ったケーススタディである。色彩計画を設計の基本コンセプトの一つとして取り入れ、部屋の識別が容易になること、機能面だけを重視するのではなく、子どもたちが楽しく学べ、かつ自分たちの学び舎に誇りが持てるように、唯一の建物と認識できるようにすることをコンセプトに色彩計画を行った。特別教室棟の室内の色彩計画では各教室で行われる活動の多様性に着目し、各室のテーマカラーを設定した。外壁の色彩計画においても、周辺環境に配慮して彩度を抑えた計画とし、普通教室棟と特別教室棟とで別々のアクセントカラーを用いた。両棟の色彩計画に携われたために、調和のとれた教育空間の創出ができた。