本作品は通常の情報機器へユニバーサル・デザインの概念を効果的に導入し、オリジナリティのあるブランドイメージを持ち、美しく誰にでも使いやすいという目標を持った製品である。製品名はIBM社のノートブック・パソコンの中でも携帯性と機能性を両立させた「ThinkPad Tシリーズ」である。この製品は日本市場だけでなく世界市場むけの製品である。ここでは、上記の目標の中で特に情報機器にユニバーサル・デザインを適用するために、デザイナーがアイデア検討時やデザイン評価時に簡単に利用することのできるユーザシナリオに基づいた簡易評価マトリックスを利用したプロセスを提案し、そのプロセスを実施した。その結果、この製品にユニバーサル・デザインの概念を9項目適用することができた。また製品デザインはユニバーサル・デザインの概念を適用できただけでなく、ユーザ・センタード・デザインという観点より使いやすさの向上およびブランド・デザインの観点よりブランドイメージを向上させている。