2016 年 40 巻 1 号 p. 81-91
1980年代の盲児童生徒のインテグレーションの開始と普及は、以下に挙げる要因が同時多発的に、また相互補完的に働いたことに起因していたと考えられる。第一に1981年教育法の成立が、親、地方当局関係者及び教員の意識に変化をもたらしたこと、第二に主に弱視児童生徒のインテグレーションの普及を意図として整備されたユニット型支援や巡回指導型支援が、より手厚い支援を必要とする盲児童生徒にも対応できる体制整備の基礎となったこと、第三に、上記に連動した形で、関係する慈善組織や研究機関が、視覚障害児童生徒の支援体制構築のため、教員養成プログラムの開催や地方当局関係者・教員むけの手引書の発行等の支援事業を広範に展開したことである。