抄録
経緯
BWR型原子力発電所における原子炉ウェル内は,定期検査中の大半が原子炉水で満たされている為,場の線量率を推し量ることは出来ず,水抜き直後に行われるウェル内洗浄作業の放射線管理計画の策定には困難を極めていた。 この課題を解決する為,定期検査中の原子炉ウェル内をモニタリングする方法について検討した。
原子炉ウェル内には原子炉格納容器の一部である,通称「バルクヘッド」と呼ばれる回廊がある。このバルクヘッドの裏側部,即ち原子炉格納容器内最頂部に放射線計測装置を設置することにより原子炉ウェル内の連続モニタリングを行い,そのビルドアップ挙動を掌握することとした。
結果
バルクヘッドの背面に通称「バルクヘッドモニター」を設置し,線源のビルドアップ挙動を調査した結果,定期検査開始5日後付近から行われる燃料取り出しの段階で著しいビルドアップが生じていた。
この様に「バルクヘッドモニター」によりバルクヘッド部における線源形成挙動を確認することが可能となり,またユニットユニーク(原子炉水質等)な部分が線源のビルドアップに影響していることについても確認することが出来た。
詳細については本会にて報告する。