抄録
SiC複合材料は優れた耐高温水蒸気特性への期待から、福島事故後に特に、軽水炉被覆管等への適用が検討されている。既存のSiC複合材料は、延性を得るために繊維とマトリックスの間にC界面層が施されているため、耐水蒸気や耐酸化特性の観点では、界面層消失による著しい強度の低下が懸念される。本研究では、C界面層無しでも延性が得られ強度の信頼性を備える新たなSiC複合材料の開発を行った。マトリックスに多孔質SiCを用いることにより、C界面層無しでも延性が得られ、高温酸化雰囲気においても既存のSiC複合材料と異なり、優れた強度特性が維持された。