アフリカ研究
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自然保護政策におけるスポーツハンティングの意義と住民生活への影響
カメルーン共和国・ベヌエ国立公園地域を事例に
安田 章人
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2008 年 2008 巻 73 号 p. 1-15

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抄録

アフリカにおける自然保護政策の原型である「原生自然保護」は, 植民地時代におけるスポーツハンティングのための猟獣を保護することを主たる動機の1つとして始まった。しかし, そのための地域住民への強権的な対応に対する批判などから, 1980年代に「住民参加型保全」へとモデルシフトし, 住民への高圧的な対応の克服が目指された。また動物に対する環境倫理思想と野生動物の非消費的な利用の隆盛も関係し, スポーツハンティングは過去のものとされがちであった。しかし, スポーツハンティングは現存するばかりでなく, 多くのアフリカ諸国でその活動を活発化させている。本稿は, カメルーン共和国のベヌエ国立公園を調査地として, 現代のスポーツハンティングの実態に注目し, 自然保護政策における位置づけと, 地域住民との相互関係を分析する。その結果, スポーツハンティングを,「自然保護政策を経済的に支えうるツール」として現実的に評価しつつも, それがもつ「地域住民を犠牲にしたうえでおこなわれる欧米富裕層の娯楽」という時代錯誤的な性格を是正する必要性があることを指摘する

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