アフリカ研究
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「エンパワーメント」の問題点に関する一考察
ブルキナファソ農村における女性グループの活動推移を事例として
浅野 史代
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2008 年 2008 巻 73 号 p. 17-29

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抄録

開発に女性が組み込まれて以来, 開発政策において女性の捉え方は様々に変化してきた。近年は, 女性の「エンパワーメント」がプロジェクトの手段. あるいは目的として多用されている。本稿では, ブルキナフアソ農村の女性たちの日々の生活を追い, 開発プロジェクトによって組織された女性グループの活動の推移に焦点を当て,「エンパワーメント」が内包する問題を考察する。「成功」し得るように思われる事例のプロジェクトが, 女性の労働増加を促し, 経済活動のサイクルを崩壊させる恐れがあること, そもそも女性たちはそれらの資源に対するアクセスやコントロールが従来可能であったことから, プロジェクト提供者に起因する計画と実践とのズレを指摘する。そして, グループの活動を通じて, 一部の女性に「エンパワーメント」の兆しがみられるものの, 一方ではその他の女性にとって「ディスエンパワーメント」につながる恐れがあること, 加えて, 多くの女性が実際には, 様々な背景から開発や発展を消極的に捉えており, こうした姿は政策で想定されている女性像と大きく乖離している事実を指摘する。

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