クク人(Kuku)は南スーダン最南端、ウガンダとの国境地帯を故地とし、植民地化や内戦等、さまざまな要因により移住を繰り返してきた。とくにウガンダへの移住は1930年代から行われ、ウガンダ国籍を持つクク人も多い。本稿は2005年の第2次スーダン内戦終結後のウガンダからのスーダン(現南スーダン)人、とくにクク人の移住の実情を示し、彼らの移住史のなかにそれを位置づける。そして彼らにとって、第2次スーダン内戦終結後、国際機関とウガンダ政府の主導によりなされたウガンダから南スーダンへの「帰還」は、いかなる意味を持ったのかについて検討する。さらにそれをとおし、定住を前提として帰還支援を行うこと、ならびに「持続可能な帰還」を提唱することの問題を指摘する。