現代ケニアの小規模コーヒー生産者協同組合は、政府による強い規制の下で、コーヒー流通において独占的な地位を与えられている。この流通制度は、小規模生産者に販売先を保証するとともに、中間買付業者による安価での買いたたきを防いで生産者を保護する効果を持つ。その一方で、コーヒー代金支払の遅延、コーヒー販売先に関する選択肢の欠如などの問題点も内包している。協同組合を中心としたこの流通制度は植民地時代に形成され、コーヒー部門とは直接関係のない外的要因の変化や、時代ごとの政府の戦略の影響を受けながら、現代まで一貫して継続している。他方で協同組合による流通独占は、組合の競争力欠如や自律性の阻害を生じさせて組合運営を非効率化・弱体化させるリスクを内包している。