中国アフリカ関係をめぐる研究は、中国とアフリカ諸国の国家間関係や、中国による対アフリカ援助や中国国営企業の活動がアフリカ諸国の政治経済に及ぼす影響を考察するという限られた視座から捉えられてきた。中国アフリカ関係を重層的に捉えているとは言い切れない従来の研究に対し、本稿では、多くのアフリカ諸国の地方統治に欠かせないアクターである伝統的権威に着目し、ウガンダ中部のブガンダ王国および同国西部のブニョロキタラ王国が、どのように中国アフリカ関係の構築において主体的な役割を果たしているのかを検討する。そして、主に2024年から2025年にかけて実施したフィールドワークから得られた一次資料の考察をもとに、伝統的権威が中国ウガンダ関係の輪郭を形成するうえで不可欠な役割を担っていることを示す。