地球科学
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下北半島周辺の海底林
藤井 昭二奈良 正義畑中 盛山口 吾一郎竹内 貞子吉田 明弘能城 修一鈴木 三男邑本 順亮堀内 一穂奈須 紀幸
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2006 年 60 巻 5 号 p. 375-387

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抄録

下北半島の津軽海峡側に3箇所,陸奥湾側に1箇所,樹根44株,倒木14本の海底林を中期更新統の田名部層中に確認した.これらの海底林は恐山の主活動期の火山噴出物(Tanabu A, Tanabu B, Tanabu Cなど)やそれらの泥流堆積物中に保存されたものと考えられ,主活動期は海成段丘との関係からMIS8の時代である(石持納屋をのぞく).下北半島は数段の海成段丘で示されるように隆起地域である.海底林包含層の花粉分析の結果は下部にAbiesやPinusのような冷涼な花粉が,上部にBetula, Pterocarya, Juglansなどの温暖な気候を示す花粉が産出していることを示している.海底林は冷涼な気候の低海面から温暖化に伴う海面上昇に伴って形成されたのは完新世と同じである.下北海底林は中期更新統に始めての産出で,世界中で最も古いものである.

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© 2006 地学団体研究会
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