地球科学
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火山ガラスの主成分・微量成分元素組成に基づくテフラ層の岩石学的特徴 : 大阪層群と琵琶湖高島沖コアに挟まるテフラ層の例
長橋 良隆中井 聡子吉川 清志奥平 敬元吉川 周作吉田 武義
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2015 年 69 巻 4 号 p. 205-222

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抄録
本論では,大阪層群に挟まるテフラ層のSEM-EDS分析による火山ガラスの主成分元素組成,および大阪層群と琵琶湖高島沖コア試料に挟まるテフラ層のICP-AES分析による火山ガラスの微量成分元素組成を明らかにした.本論では,火山ガラスの形状・重鉱物組成・粒子組成の組み合わせからテフラタイプを区分し,それと主成分元素組成から近畿地方に降下・堆積したテフラを5つのグループ,1)アルカリ岩質テフラグループ,2)高カリウムテフラグループ,3)中間カリウムテフラグループ,4)低カリウムテフラグループ,5)高シリカ・扁平型火山ガラステフラグループに区分した.また,Y-Sr/Y図,La/Y-Fe/(Fe+Mg)mol%図,MgO-Ba図を用いて,それらの微量成分元素組成における特徴を明らかにした.本論で対象としたテフラ層のうち給源が既知のテフラ層は,これまで指摘されていた伊豆・箱根地域,東北地域,山陰地域,中部九州と南部九州を給源とするテフラ層の岩石化学的特徴と整合的である.さらに本論において明らかになったアダカイト質テフラおよび低カリウムテフラグループの堆積時期は,それぞれ山陰地域の火山,伊豆・箱根地域の火山の爆発的噴火活動と対応する.
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© 2015 地学団体研究会
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