地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
原著論文
有機熟成(続成作用)評価の重要な指標であるビトリナイト反射率を色から推定する
氏家 良博 原田 くるみ濱田 夏樹長谷川 直紀下総 麻衣子相澤 武宏
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 73 巻 2 号 p. 61-74

詳細
抄録

基礎試錐3 坑の泥岩試料37 個において,反射顕微鏡下でビトリナイト粒子254 個を同定し,反射率測定スポットより大きい粒子162 個で反射率(Ro)と色(RGB の各強度)を測定し,相関関係を調べた.Ro とRGB 各強度との相関係数はいずれも0.95 以上で高い相関があり,以下の近似式が得られる.

R 強度からは,Ro = 0.0000788R2 + 0.000588R - 0.046

G 強度からは,Ro = 0.00010G2 - 0.0086G + 0.410,

B 強度からは,Ro = 0.00020B2 - 0.0213B + 0.920

近似式を用いて,ビトリナイトの全粒子254 個について色から反射率を推定し,試料ごとにその平均値と実測したRo の平均値を比較・検討した.全ての試錐において,色から推定した反射率の平均値はRo 実測値の平均値に近い値を示し,深度に伴う増加傾向を示す.しかしRo 実測値と推定値の間にはR 強度で平均0.21%,G 強度で0.27%,B 強度で0.13%の差がある.その原因としては微粒子や高い有機熟成度でのマセラル同定の困難さ,低い有機熟成度での色の分散,Ro の抑制と増進が考えられる.近似式を使ってビトリナイトの色から推定した反射率をRo 実測値と同等に扱い有機熟成度を評価することは困難であるが,ビトリナイトの粗粒な粒子が存在せず,微粒な粒子しか検出できない試料では,色からの反射率推定値は実測値を補完し,有機熟成評価に有効な手段である.

著者関連情報
© 2019 地学団体研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top