2020 年 74 巻 4 号 p. 157-170
北部九州東部に分布する関門層群脇野亜層群のいわゆる層灰岩の主成分および微量成分元素測定と希土類元素分析を行った.層灰岩は,数mm ~数cm の泥岩~極細粒砂岩からなる暗色層と泥岩~細粒砂岩からなる明色層の互層からなる.層灰岩は,脇野亜層群の泥岩,砂岩,礫岩と比べ,高いCaO およびSr 含有量を示す.紫川流域と黒川流域の層灰岩の全岩化学組成は類似するが,八木山川流域の層灰岩はこれらよりも低いTiO2,Al2O3 含有量と,若干低いCr,Ga,Nb,Th,Zr 含有量を示す.希土類元素パターンに明瞭な違いは認められない.これらの微量成分元素は,層灰岩の石器石材の原産地同定に有効である.