2022 年 76 巻 4 号 p. 179-194
北部フォッサマグナの武石山塊には,下部~中部中新統の内村層が広く分布している.内村層は,海成の正常堆積物と火山性の堆積物からなり,大規模な指交関係をとって内村海盆に堆積した.正常砕屑岩は,南~南西部の基盤岩地域を後背地としている.火山性堆積物は,海盆内の内村海底火山の噴出物で構成される.グリーンタフ変動開始時における内村海盆の形成とそこでの正常砕屑岩と火山砕屑岩の大規模な指交関係は,フォッサマグナの発生初期における造構史的なプロセスの1つとして重要な意味を持っている.