地球科学
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原著論文
幸太郎石:神居古潭帯から発見された蛇紋岩を主とする藍青色のNa交代礫岩
東 豊土加藤 孝幸和田 恵治八木 公史藤原 泰誠岡村 聡
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2025 年 79 巻 4 号 p. 209-228

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抄録

幸太郎石は,北海道平取町額平川支流パンケユッルペシュペ沢(幸太郎沢)で転石として確認される藍青色の変形礫岩である.本研究で用いた幸太郎石は3試料で,全体の特徴がわかる巨岩塊は土石流由来の淘汰が悪い変形礫岩で角礫~円磨礫を含む.化学分析を行なった基質部の試料は,蛇紋岩や緑色岩礫,輝石や基質などを多量のリーベック閃石やエジリンが置換し,特徴的に高いCr・Ni含有量,クロムスピネルの4.4 modal%は蛇紋岩との強い関連性を示す.幸太郎石中の炭酸塩岩礫は蛇紋岩角礫やクロムスピネル粒子を含みホワイトプールに由来する可能性が高い.幸太郎石は,110 Maごろ沈み込み帯近傍で陸化した蛇紋岩や緑色岩などが,海底土石流堆積物として海溝に堆積後沈み込み,低温高圧変成条件下で超苦鉄質岩と接触してNa交代作用を蒙り,岩清水コンプレックスの静内ユニットの一岩相として地下に分布していた部分が糠平超苦鉄質岩体とともに上昇した可能性が高い.

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