農業気象
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研究論文(英文)
イグサ田における蒸発散量の季節変化
丸山 篤志大場 和彦黒瀬 義孝宮本 輝仁
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2004 年 60 巻 1 号 p. 1-15

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抄録

八代平野のイグサ田(32° 33.9′N, 130° 38.4′E, 標高1 m)において,1999~2000年(2000年期)と2000~2001年(2001年期)の移植期(12月)から収穫期(7月)まで熱収支ボーエン比法により蒸発散量を測定した。蒸発散量(E)の季節変化は,移植期から収穫期にかけて気温と日射量の増加にともない増加する傾向を示した。生育期間中のEの平均値は2000年期,2001年期でそれぞれ2.02, 2.16 mm day-1で,積算値はそれぞれ491, 499 mmであった。イグサ田の蒸発散量について,他の植生に対する相対的な値と有効な推定方法を検討するため,Eの日平均値を基準蒸発散量E0およびポテンシャル蒸発量EPと比較した。E/E0の季節変化は0.46から1.00へとイグサの生育にともない増加する傾向を示した。同様にE/EPの季節変化も0.42から0.84へと増加する傾向を示した。この結果をもとに,E/E0E/EPをイグサの植物面積指数(PAI)の関数で表すことができた。この関数を用いて推定した蒸発散量のRMSEは推定の時間スケールによって異なり,1日平均の場合で0.5 mm day-1,5日平均の場合で0.2 mm day-1,10日平均の場合で0.1 mm day-1であった。また,E/E0E/EPはPAI以外にも,イグサの蒸散量の変化を通じて土壌水分,風速および飽差の影響を受けたと推察された。しかしながら,これらの環境要因のみから2000年期と2001年期との間にみられたE/E0およびE/EPの値の違いを説明することは困難であった。2000年期と2001年期ではイグサの茎色が大きく異なっていたことから,イグサの生理的活性の違いがE/E0E/EPの値に影響を与えたことが示唆された。

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© 2004 The Society of Agricultural Meteorology of Japan
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