2009 年 65 巻 4 号 p. 315-325
安価なガス分析計を用いて簡易渦集積法(REA法)による汎用的なCO2フラックス測定システムを開発した。スペクトル解析からガス分析計には高周波と低周波のノイズが混在していることが明らかとなったため,移動平均において高周波ノイズを低減した後,短い時間でブロック平均する事でCO2濃度測定の精度を向上させた。開発された測定システムは滋賀県のヒノキ林において適用され,オープンパス型の渦相関法により測定されたCO2フラックスと比較された。REA法により測定されたフラックスは,渦相関法により測定されたフラックスとよく一致し,両者の平均二乗平方根誤差は0.17 mg m-2 s-1であった。オープンパス型の渦相関法は降雨時に測定が出来なかったが,REA法では降雨時においてもある程度フラックス測定が可能である事が示唆された。