べたがけの効果を日中と夜間に分離するため, 終日, 日中, 夜間の各被覆区と無被覆区において, コマツナとホウレンソウを栽培しながら気温, 飽差, 地温, 土壌水のマトリックポテンシャルを測定した。
作物生育には終日被覆区と日中被覆区において同様な促進または抑制効果がみられた。しかし夜間被覆区では生育に対する被覆処理の効果が明確でなく, べたがけの効果が日中の環境改変に依存している可能性が高いと判断された。一方, 測定した環境要素のうち, 終日被覆区と日中被覆区, 夜間被覆区と無被覆区でそれぞれ同様な値を示すという, 作物生体重および乾物重の傾向に最も合致したのは日最高気温の傾向であった。日最高気温にみられた傾向は日中全般において気温にみられる傾向であり, べたがけによる作物生育の変化と日中の気温の変化との間に密接な関係があることが示唆された。また, べたがけが作物生育を促進したのは日中被覆下気温が被覆外気温よりも作物の生育適温に近い時期, 抑制したのは被覆外気温が被覆下気温より生育適温に近い時期に限られ, 被覆下気温, 外気温共に生育適温域にある時期には効果がほとんどなかったことから, べたがけの作物生育に対する影響の正負や大小は, 作物の生育適温と日中の被覆内外気温に左右されていると考えられた。