抄録
次世代の主要産業としての成長が期待されているディジタルコンテンツの流通は画像配信普及環境の整備が一段落した現在も依然として低調であり、今後の成長の途筋も不透明である。これらの要因のひとつにコンテンツの著作権に関し、その管理保護(DRM-Digital Rights Management)スキームの共通化が遅れ、その為、コンテンツ配信のValue Chain はプロバイダ毎に異なり、縦割りであることが普及の障害になっているとも考えられる。このDRMスキームの共通化は、システムの相互運用性、端末の互換性にとって必須の課題である。本稿ではDRM標準であるISO/IEC13818-11 MPEG-2 IPMP(Intellectual Property Management and Protection)を取り上げ、標準規格の実装からとユースケース適用からの2つのアプローチで課題を抽出した。