主催: 画像電子学会
共催: 大阪工業大学, 社団法人 情報処理学会
本稿では,大規模ボリュームデータから距離場を計算する手法を提案する.従来手法は,距離場を計算するためにメモリに全てのデータを持つ必要があったため,適用できるサイズの限界が厳しく制限されていた.本研究は,この問題をout-of-core法を用いて解決する.提案手法は,ボリュームデータをクラスタと呼ばれる小領域に分割してそれぞれに対して距離変換を適用する.そのため,計算対象外のクラスタはハードディスクに保存できる.またクラスタ間で距離値の伝播をおこなうことで,距離場の一貫性を確保する.更に,伝播された距離値を用いて距離変換の回数が少なくなるような順序決定アルゴリズムを提案する.本稿では,10億セル以上のボリュームデータに対して現実的な時間で距離場を生成できることを示す.