抄録
本論文は,歩行者の服装から会社員や学生などの属性を推定し,その推定結果に基づいて,歩行者を安全に回避しながら自律移動ロボットを効率的にナビゲートする方法を提案する.ロボットは,走行中の街でよく見かける歩行者の服装(例えば,特定の高校生の制服)をあらかじめ学習し,歩行者の所属する組織を推定することができる.さらに,ロボットはその組織に属する人がその時間に向かう行き先情報を与えられ、その情報をもとにその歩行者の将来の歩行軌跡を推定し,その歩行者の歩行を妨げにくい走行経路を設計する.ロボットの走行軌跡の設計には,人工ポテンシャル法を用いた.ロボットの走行経路上に属性の異なる歩行者が検出された場合でも,提案するロボットはそれらの歩行者を実時間で適切に回避しながら効率的に目的地に到達することができる.提案手法の有効性は,試作ロボットを用いた被験者実験により確認した.