日本建築学会論文報告集
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510 廊について : 日本建築の空間的発展における一契機(意匠・歴史)
井上 充夫
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1956 年 54 巻 p. 793-796

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抄録

本稿は平安・鎌倉時代ごろの建築における「廊」について,建築的空間の発展という問題を中心として、綜合的に考察したものである。まず最初に呼称について検討し、廊と渡殿、廊と廊下はそれぞれ異なり、廊は一般に「ホソドノ」を意味するものであることを指摘した。つぎに廊の形態的特色を吟味して、主屋の側壁に平行に離れて建つものと、直角に空出するものとの2つの形式を区別し、前者が古くからのシナ風な空間構成原理にもとずくものであるに対し、後者は新しい空間原理を表明することを論じ、後者のような独自の形式をもつ廊が、「庇」とならんで、日本建築史上における内部空間の発展の最も重要な契機をなすことを結論した。

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© 1956 一般社団法人日本建築学会
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