日本地理学会発表要旨集
2003年度日本地理学会春季学術大会
会議情報

世帯別の外出行動の特徴
郡山市を事例として
*鬼塚 展明
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 000006

詳細
抄録

1.はじめに高齢者の生活行動や生活空間に関しては多くの研究がなされ、事例の蓄積が進んでいる。既存の研究は、集落や町村を単位とした地域の外出行動や生活行動を明らかにしているものがほとんどであるが、世帯構造に着目した分析は多くない。本研究の目的は、都市における高齢者の外出行動について居住地によってどのような違いが見られるのか、その特徴を明らかにすることである。その上で生活空間を把握し、外出行動における問題点を指摘し、改善方法を示すことに意義がある。本研究では福島県郡山市を対象としてとりあげた。第62回大会(金沢大学)では、郡山市の高齢者世帯の中で特に多い同居世帯の特徴について発表したが、今回は単身世帯と夫婦世帯の外出行動の特徴を中心に発表する。2.調査概要都市の性質を持つ地域として桃見台地区(以下、中心部)、農村の性質を持つ地域として逢瀬地区(以下、周辺部)をとりあげた。各々の地区に在住し、単身世帯と夫婦世帯に居住する65歳以上の高齢者を対象に、面接による聞き取り調査を実施した。調査項目は(1)高齢者や世帯の属性に関する項目、(2)外出行動に関する項目、(3)公共交通機関に関する項目である。 回答数は、中心部の単身世帯38人、夫婦世帯38世帯62人、周辺部の単身世帯13人、夫婦世帯19世帯36人である。3.結果 高齢者の受給している年金は、中心部では国民年金と厚生年金の受給者の割合にあまり差がない。一方、周辺部では、国民年金の受給者の割合が高くなっている。日常生活において、誰かに手伝ってもらうことがあるか否かについては、中心部では80%強の、周辺部では60%程の高齢者が、誰にも手伝ってもらうことはない、と回答した。次に、外出行動については、外出目的、外出先、利用手段の3点から述べる。まず、外出目的については表の通りである。外出先は、中心部では、地区内への外出が圧倒的に多い。また、周辺にも商業施設などが多く立地しているため、周辺の地区への外出も見られる。一方、周辺部でも地区内への外出が最も多かったが、特に単身世帯では80%近くが地区内への外出となっている。夫婦世帯では、隣接する大槻地区への外出が次いで多くなっている。これは周辺部では商業施設や医療施設が少ないためである。利用手段は、両地区とも地区内への外出が多いことから、徒歩が最も多くなっている。自動車の利用は中心部の夫婦世帯が突出している。 公共交通機関の利用について見てみると、利用しない人の割合が、両地区とも単身世帯では25%前後、夫婦世帯では約40%と世帯によって差がある。(注:表は事務局に提出した紙に掲載)

著者関連情報
© 2003 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top