日本地理学会発表要旨集
2003年度日本地理学会春季学術大会
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関東平野におけるヒートアイランド現象と気圧配置型の関係
*根来 武志宇野 剛田畑 弾山川 修治
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p. 000026

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抄録

首都圏において、戦後の近代化(都市化)とともに、気温が人為的な影響を受ける都市気候と呼ばれる現象が確認され始め、その中でも代表的なものがヒートアイランド現象(HI)である。HIは都市の大小に関係なくすべての都市で発現していることが確認されている。本研究では、HIの指標となる気温や降水などの気候要素の分布の要因となっている気圧配置型がHIと関わりがあるのではないかと考え、HIと気圧配置型との関係について研究した。研究には4要素AMeDAS観測地点の日最低気温データ(1991~2000)を用い、都心部を東京(大手町)、郊外をその周辺の地点とし、ヒートアイランド強度(HII)を以下のように定義した。HII=〔東京(大手町)の日最低気温〕_-_〔郊外の日最低気温〕HIIは郊外の値の信頼性から1地点ではなく、府中、青梅、海老名、鳩山、我孫子、久喜、佐倉の7地点の平均を用い気圧配置型別に集計した。気圧配置型に関しては、気圧配置ごよみを利用した。その結果、HIIはどの気圧配置型においても夏よりも春、秋に強くさらに春、秋よりも冬に強く、1年間を通して関東平野が移動性高気圧に覆われている_III_b型(日本列島上、主として本州上を東進)、_III_c型(帯状高気圧)、_III_d型(日本の太平洋岸または南方を東進)が強いHIIを示していた。これは_III_b型、_III_c型、_III_d型は夜間低温という気候特性があるためだと考えられる。以上のことからHIが移動性高気圧に覆われた日に出現するという河村(1977)の指摘を立証している。他には、_I_型(西高東低冬型),V型(南高北低夏型),_II_a型(気圧の谷・低気圧北海道付近)で強く現れている。これらは共に各季節を代表する気圧配置型で冬の_I_型は乾燥晴天、夏の_V_型は高温晴天という気候特性があるためにHIが強く起こると考えられる。参考文献:河村 武 1977「都市気候の分布の実態」 気象研究ノート,(133),26-47.

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