東アジアの干潟保護問題として注目される諫早湾干拓と韓国のセマングム干拓。それぞれが現在,どのような状況になっているのかについて関係者からの報告を交えて確認するとともに,このような環境問題論争において科学的なデータがどのような意味をもち,使われ方をしているのかについて議論を深めたい。日韓の環境運動の比較,環境問題研究における自然科学的視点と人文・社会科学的視点の比較などに焦点をあてることになるのではないかと考えている。ただし,人文・自然相互の違いを強調することを意図しているわけではなく,むしろ,具体的な現場の問題において研究者はいかにそれに向き合うのか,関わるのかという,研究者の立場の問題を論じたい。 本シンポジウムに関する問題提起は次の伊藤報告,平井報告においてなされる。