日本地理学会発表要旨集
2006年度日本地理学会春季学術大会
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衛星データとGISによる太宰府市の環境変化解析
*黒木 貴一磯 望後藤 健介宗 建郎
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p. 22

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抄録

 地表の環境変化を衛星データから解析するには、通常、取得時期の異なるデータをそれぞれ定められた土地利用(土地被覆) に区分し、その2画像間の差分を求める。そのとき想定した区分で表せない環境変化は分からない。また1時点での土地利用区分にも誤差が含まれ、その差分では誤差が拡大する可能性もある。通常、衛星データから地表の環境あるいはその経年変化を解析するための教師データは現地調査から得る。しかし、経年変化の解析には、教師データを過去の土地利用などの地理情報から得る必要がある。ところが、デジタル化された詳細な10mメッシュ土地利用データは大都市圏にしかなく、全国整備された国土数値情報の約100mメッシュの土地利用データは精度が粗い。そのため地方を対象とする環境変化の解析には、聞き取りで教師データを得るか、別途土地利用等の地理情報を得る必要がある。 本研究では、2時期のLANDSATの反射率データを用いて、2時期の地形図による土地利用情報を教師データとし、地表の環境が変化した地域を抽出するGISによる手法を検討した。その結果は次の5点にまとめられる。_丸1_複数の反射率データ差分のオーバーレイで、環境変化域を絞り込める。_丸2_2時期の土地利用データのオーバーレイ結果は、衛星データ解析の教師データとして使える。_丸3_2時期の反射率データ差分の標準偏差を解析の基準にできる。_丸4_Landsatデータではndvi(b3とb4)とb1の組み合せによる環境変化域の評価が比較的良い。_丸5_Landsatデータ解析結果と土地利用変化型は、特定の区分同士で対応が良い。

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© 2006 公益社団法人 日本地理学会
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