日本地理学会発表要旨集
2007年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 523
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電話帳広告にみる道案内図の空間解析
東京都渋谷区渋谷駅周辺を事例として
*葛城 友香
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抄録


I 研究目的
 本研究の目的は,東京都渋谷区渋谷駅周辺において,各々の事業所が電話帳に掲載している広告内の道案内図を対象として,評価の差異からどのような道案内図が望ましいかを明らかにすることである.このために,見やすさ,デザイン,内容等の評価に関するアンケートを実施した.
II 道案内図の要素に関する分析
 68の道案内図を対象に,道案内図の表現,ランドマークや名称のある道路等(要素)が何件の地図に見られるか(出現数)やその特徴,ランドマーク間の関係,道路の本数と強調について分析を行った.
 ランドマークの立地は交差点に多く,出現数が1件のランドマークについては,事業所に近接したものも多い.2つのランドマーク間において互いに類似しているものでも,種類の異なるものでも,近接した立地の場合,どちらか一方を描くことが多く,異なるものである場合は両方を描くことも多い.道路の強調については,道路を太くしている地図が多く,その太さはほぼ幅員に沿った表現である.要素数が全体の平均より多い,または少ない地図でも,駅から事業所までの間に,交差点等重要な位置に要素を配置している地図,主要となる道路を基本に,道路を適切に取捨選択している地図,道路の太さが単一ながらはっきりと描いている地図も見られる.一方で,要素を必要以上に配置している地図,目印となるものが少ない地図も見られる. III 評価別道案内図の特徴
 次に,アンケートをもとにして評価の高い(低い)地図の指標別の評価と実際の道案内図との比較を行った(図1).
 見やすさ,デザイン,総合評価に関しては評価の高低ではっきり区別ができた.道路の本数・目印の量に関して評価が低い地図では,実際と合致した評価であったが,評価の高低にかかわらず「ちょうど良い」としている中には実際の量にばらつきが見られる.道路の強調に関しては評価の高い地図・低い地図とも道路の強調の有無が見られる.
IV 結論
 要素の詰め込み過ぎ,必要なものを描かない,不適切な強調といった極端な地図は,多くの人の評価が低い.見やすさやデザイン等によっては,各道案内図において同等な評価が見られる.しかし,実際の要素の量が等しい道案内図どうしでは,評価が異なる.これらから,要素数にこだわらず,通り道や交差点にランドマークを描く,主要な要素を選択する,適切な強調をすることが求められる.

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© 2007 公益社団法人 日本地理学会
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