日本地理学会発表要旨集
2009年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 212
会議情報

在日華人の僑郷としての福建省福清市の地域性
在日新華僑の送出地域に関する地理学的考察(1)
*山下 清海張 長平張 貴民松村 公明小木 裕文杜 国慶
著者情報
キーワード: 新華僑, 華人, 僑郷, 福建省, 福清市
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

1978年末以降の改革開放政策の推進に伴い,中国では出稼ぎや留学などで世界各地へ出国するいわゆる「新華僑」(華人ニューカマーズ)が増加した。日本においても,1980年に52,896人であった在留中国人(中国籍保有者)は,2007年には606,889人となり,韓国・朝鮮人(593,489人)を抜いて,国籍別で初めて第1位となった。 本報告は,日本において急増してきた新華僑の日本への送出プロセスの解明を目的に進めている研究プロジェクト(山下ほか2008)の中間報告である。  福建省は,広東省,海南省とならんで東南アジアへの移住者を多数送出してきた地域で,特に海外華人の主要な出身地は,中国では「僑郷」(華僑の故郷)とよばれる(山下 2002)。 今回の発表では,2007年および2008年に福清市を中心に実施した調査にもとづいて,在日福清人の主要な出身地域の一つである福清市の僑郷としての地域性について報告する。 福清市における現地調査では,日本滞在経験者(不法滞在者を含む)から渡日の過程,滞日時の状況,帰国後の状況などの聞き取りに重点を置いた。また,日本在留者の留守家族,日本語教師,日本語学習者,日系企業関係者などを対象に聞き取り調査,資料収集を行った。

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本地理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top