抄録
_I_ はじめに
1 研究の背景・目的
都市圏には都市化→郊外化→反都市化→再都市化のサイクルで発展・衰退していくというモデルがあるが、日本では、1950年代以降、都市への人口集中がみられ、急激に拡大していった。この人口の増大は都市の巨大化、郊外化をもたらす。1970年代半ばに国内大都市の人口増加率はピークを迎え、1980年代になると、東京大都市圏の周辺部では機能的自立化が強まり、東京の都市中心部への依存から脱却するようになった。
このような中、都市圏の内部にも中心都市が成長するようになり、通勤などの生活に密着したものについては、より詳細な地域で分析をする必要がある。
大都市圏の研究では、国勢調査のデータを用いた研究は多いが、より詳細な地域で細かく分析する必要がある。。そこで、本研究では従来の市町村単位よりもさらに小さな地域のデータを用いて東京大都市圏の通勤・通学行動の結節構造の変化を明らかにすることを目的とする。
2 研究方法・データ
東京都市圏交通計画協議会が行っている第2回(1978年)と第4回(1998年)パーソントリップ(PT)調査のデータを用い、通勤・通学において、結節構造がどのように変化したかを考察する。分析に関しては基本計画ゾーンを基本単位とし、1都4県、333市区町村の全547ゾーンを対象地域とする。
_II_ 結節核の選定
まず、流入量が流出量よりも2500トリップ以上超過しているゾーンを抽出する。次に、これらのゾーンの中から流出に対し、流入の多いゾーンを通勤中心ゾーン・通学中心ゾーンとする。この結果、通勤が1978年が70、1998年が84ゾーン、通学は1978年が27、1998年が55ゾーンの中心ゾーンが抽出された。
さらにこれより、川崎市や大宮市など、同一の市区町村をまとめることにより、7~19個の中心核を設定した。
_III_ 核への流動パターン
_IV_ おわりに
1978年と比較すると、1998年には郊外に中心核が多数あらわれた。また、これらの新しい核は自動車の比率が高く、通勤距離の割に移動時間が短いことが特徴である。また、横浜市、さいたま市などの中間都市では、通学においては圏域の成長がみられたが、通勤においてはそれほどの変化は見られなかった。また、全体的に東京大都市圏内の移動が複雑化していることも明らかになった。