日本地理学会発表要旨集
2010年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: P901
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旧版地形図情報をGIS化する際の課題
-福岡市史の場合-
*黒木 貴一磯 望宗 建郎黒田 圭介後藤 健介西木 真織
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抄録

平成16年度に開始された福岡市史編纂作業は,平成35年度までの20年間を総事業期間とする福岡市の重要な事業である。そこでは地理学,地質学,生物学,考古学などの担当者により福岡市の歴史に関わる環境,景観,遺跡などに関し,先史から現代までを通覧する考古特別編の作成が進んでいる。近現代に関する地域史を広く参照すると,本編では地域実態の表現に数値表を示すことが多く,域外者は主題分布の理解が難しいため,付図として旧版地形図や土地利用図が添付される傾向がある。それを考慮し考古特別編作成では主題分布の理解を助けるために,GISによる福岡市に関する考古遺跡の分布情報整備に加え,紙地図,衛星データ,統計データなどから地理空間情報も整備・収集し主題図の作成を進めてきた。本発表では,紙地図の地形図から作成した地理空間情報の編集結果とその表現試案を報告する。
 検討の結果,土地利用データは同一縮尺地形図の欠落や地図記号の変化に伴い範囲や区分基準を統一できない問題があり,標高データは地形図作成方法の相違や標高補間方法の制約により精度を統一できない問題があった。

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© 2010 公益社団法人 日本地理学会
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