河川の水質は流域の環境により決定づけられ、特に、豪雪地帯を流れる河川では、積雪や融雪現象が水質に影響を及ぼし、流域全体の水環境特性や水文特性を形成する大きな要素となっている。また、積雪期間中にも融雪が生じる温暖積雪地では融雪水が河川水質に与える影響は寒冷積雪地に比べて長期にわたるが、詳細な観測は十分に行われていない。そこで、筆者らは、信濃川支流の魚野川と周辺地域を対象として、継続的な水文観測を行っている。本研究では、流域の特性を明確にするため、公共の水環境データの長期変動解析をした上で、積雪の影響の少ない4月から12月の暖候期における河川水質特性と季節変動について明らかにし考察を加えた。