平成26 年8月豪雨では,広島市安佐北区三入で1 時間降水量(101.0mm),3 時間降水量(217.5mm),24 時間降水量(257.0mm)が観測史上1位となった。この時,広島市安佐南区と安佐北区両区で166箇所以上での土砂災害により安佐南区で計68名,安佐北区で計6名の死者が出た。また安佐南区と安佐北区両区で全壊173棟,半壊187棟,一部損壊132棟であり,床上浸水1164棟,床下浸水3062棟だった。被災地は広島市近郊の山麓斜面上の住宅地が多かった。本発表は,地理学会の災害対応グループで呼びかけた緊急調査団として行った広島の現地調査報告であり,災害対応委員会で報告した地形・地質の観点から見た斜面崩壊と土石流の特徴を中心に調査概要を紹介する。