日本地理学会発表要旨集
2016年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: P027
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要旨
武蔵野台地等々力渓谷(谷沢川)の地形形成史
河川争奪により形成された遷急点(姫ノ滝)の復元
*吉村 光敏八木 令子
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抄録
東京都世田谷区を流れる谷沢川の等々力渓谷について、貝塚(1975)は、谷沢川が九品仏川を河川争奪して形成した渓谷であるとした。しかし1930年代の河川改修工事により、河川争奪地点より上流にあった姫ノ滝と呼ばれる遷急点が消滅しており、さらに、全域の人工河川化が激しく、それ以上の地形学的調査は行われてこなかった。最近、高杉(2011)により、姫ノ滝に関する歴史資料が多数発見・紹介された。発表者らは、その資料の再解釈により、姫ノ滝の位置と標高復元が可能なことに着目し、河川改修以前の谷沢川の河床縦断復元を行った。その結果、等々力渓谷から姫ノ滝付近までの峡谷部について、従来不明であった河川争奪以降の地形発達史が明らかとなった。
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© 2016 公益社団法人 日本地理学会
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