主催: 公益社団法人 日本地理学会
明治・大正期より導入が進められた天然記念物制度や国立公園制度などによって,政府機関と専門家により,価値のあるものが定められ,それの保護が行われてきた.これに対し,ジオパーク等では,価値のあるものを,自らが定めることができる.既存の仕組みが権力を背景とする権威性により維持されてきたことに対して,ジオパーク等の仕組みは,自然の遺産の価値をより普遍的なものとして社会に認知してもらわなければならず,そのための仕組みを作る必要がある.まずは,現状において何が失われているのかを正確に認知する必要がある.