日本地理学会発表要旨集
2017年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: 708
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発表要旨
日別データから見た熱中症死亡率と気温との関係
*藤部 文昭松本 淳鈴木 秀人
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抄録

16年間(1999~2014年)の人口動態統計の個票データを使い,熱中症による日々の死亡率と当日の気温・相対湿度との関係を統計的に調べた。各都道府県について,日最高気温1℃幅ごとの熱中症死亡率を求め,死亡率がある基準値を超え始める気温閾値(T*)を定義した。その結果によると,T*の値は地域によって数℃の差があり,夏季気温の気候値と正相関を持つ。言い替えると,夏が涼しい地域は他の地域に比べ,比較的低い気温のもとでも熱中症死亡が発生する。また,相対湿度の高い日は低い日に比べてT*が低い(すなわち,熱中症死亡が起きやすい)傾向があることが確認された。

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