日本地理学会発表要旨集
2017年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: S0407
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発表要旨
山岳スポーツのリスクマネジメント
*村越 真
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抄録


旧来からの登山に加え、最近ではトレイルランニングやロゲイニング,OMMなど、フィールドを使った様々なスポーツが登場し、山の利用が多様化された。1990年代後半から山岳遭難は漸増を続けているが、利用の多様化に伴い、かつてのように登山組織で教育を受けながらリスクに対する考え方やスキルを学ぶというリスクマネジメントが機能しなくなっている。そのため、自然のリスクに対して無頓着な状態で山に入り、軽微な原因で救助要請する遭難が増えていることが指摘されている。また、近年では山岳スポーツのエキストリーム化に伴う事故の増加も懸念されている。本発表では独自の収集による警察庁の山岳遭難概況の詳細分析などを踏まえ、リスクという視点から山岳スポーツの状況を概観すると同時に、山岳での活動における組織的なリスクマネジメントに加え、個人の能力としてのリスクコンピテンシーの重要性とその啓発・教育の方向性について議論する。

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