日本地理学会発表要旨集
2018年度日本地理学会春季学術大会
セッションID: 415
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発表要旨
豪雨災害による人的被害と地形の関係について
*牛山 素行
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抄録

2004~2017年の日本の土砂災害,洪水災害による死者・行方不明者の発生位置と,ハザードマップによる土砂災害危険箇所・浸水想定区域,地形分類図から読み取った地形との関係を解析した.土砂災害犠牲者の約9割が土砂災害危険箇所で遭難しているが,洪水災害犠牲者で浸水想定区域内での遭難者は4割弱にとどまる.2016年台風10号,2017年7月九州北部豪雨では,こうしたハザードマップから危険性が読み取りにくい箇所での犠牲者が目立った.一方,地形との関係を見ると,洪水災害犠牲者の8割以上が低地で遭難していることがわかり,地形分類図が基本的なハザードマップとして有効であることが示唆されるが,利用上の課題も考えられる.

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