日本地理学会発表要旨集
2020年度日本地理学会秋季学術大会
セッションID: S304
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発表要旨
グローバル都市ベルリンの音楽と空間
*Bastian Lange池田 真利子
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抄録

本発表は,シンポジウム「グローバル・ノースの「夜」と音楽−空間を多角的に捉える」のキーノートスピーチに位置付けられる。ライプチヒ大学地理学科で教授資格を授与されたBastian Lange氏は,経済地理学(文化創造経済)を主専門領域とする。しかし,その研究視点は多岐におよび,ポスト1989のベルリン市文化創造経済とそれを取り巻く都市的現象や市内外の状況にも精通しており,空間(Raum, space)・空間化(verraumlichung, spacing)に関する理論的考察も丹念に行う。

シンポジウム当日は,国内事例をグローバルな文脈で捉えるため,30分程,本キーノートスピーチを行って頂く。真理探究学問としての「科学(Wissenschaft)」(人文学・社会科学・自然科学が含まれる)の地理学(系統地理学・地誌学)の学問的意義の追求を,「議論文化」の基,不断に実施してきたドイツ地理学の将来発展的視点に触れ,同時に「非−母国語英語話者」としてのグローバル化の在り方を再定義する良い機会になれば幸いである。

なお,Lange氏は,実践的立場に身を置き,フィールド調査の捉え方を根本から捉え直すことのできる立場の人物でもある。目下,日本的理解における「科学」が理学と工学の,帰納と演繹,あるいは理論と実務において直面する課題に対して,本シンポジウムのテーマである「音楽」はいかなる議論を投げかけるのであろうか。当日はオンラインという時間—空間を超え,対面シンポジウムでは困難な私−公の対立を超えることのできる実利的ツールの特性を活かし,積極的なオンライン議論を行いたい。

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