主催: 公益社団法人 日本地理学会
会議名: 2025年日本地理学会秋季学術大会
開催日: 2025/09/20 - 2025/09/22
社会科及び地理歴史科の地理教育にけるフィールドワークは,小中高それぞれに位置付けられる。現在までフィールドワークの重要性が指摘されてきた。野外におけるフィールドワークは,知識及び技能の習得のみならず,学習方法を身に付けるとともに,相互の交流の機会となり得るという意義がある。協働的な学びを推進する観点からも重要な教育活動だと考えられる。
小学校社会科では,第3学年の身近な地域の学習において野外におけるフィールドワークが位置付けられる。中学校社会科地理的分野では,地域調査の手法の学習において,高等学校では地理総合の生活圏の調査においてフィールドワークが取り入れられる。フィールドワークを実践し,段階的,系統的に地域への理解を深めるとともに,調査及び地図活用の技能の習得を促すことが求められる。小学校では,野外における場所体験が重要であり,中高では,地域の課題を発見,追究,解決する過程が重視される。幼小中高一貫カリキュラムの開発研究の充実が期待される。
小学校では,第3学年に学区を対象とした「身近な地域の学習」が位置づけられ,観察・調査し,地図を活用して調べ,まとめる学習が展開する。地球的課題を解決する持続可能な社会の担い手を育てるためには,自身の住む地域を基に諸地域を捉え,世界像を形成することが望まれる。また,フィールドワークに防災の視点を導入し,減災のための行動をとる人材を育てることも急務である。教育課程に明確に位置づけ確実に実施することが求められる。