日本地理学会発表要旨集
2026年日本地理学会春季学術大会
セッションID: P055
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高齢化したニュータウンにおけるアダプト・ア・パークを利用した公園管理の課題
―茨城県つくば市を事例に―
*横島 健人長尾 尚宗宮澤 元和姜 美陽鈴木 修斗
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抄録

1,はじめに

 日本のニュータウンは高度経済成長期に大都市圏への人口集中のために開発された.しかし現在のニュータウンでは深刻な高齢化に直面している.現在の日本のニュータウンでは,郊外の若年層の転出と,第一世代の高齢化が同時に進行することで,生活インフラの維持に問題が生じている.

高齢化するニュータウンのインフラの中でも,特に公園の維持管理に関する問題が発生している.そのため,地域住民の公園管理活動が高齢化によってどのような課題に直面していくのか,今後の活動継続を解明するためには考察する上で不可欠である.

 本研究は茨城県つくば市を対象とし,その中で高齢化が進行し,公園管理状況が十分に把握されていない3団体を対象に,ニュータウンの現状と公園管理の実態を明らかにする.その際,「アダプト・ア・パーク」の制度に着目をして分析する.

 本研究の調査は,2025年9月2日〜5日につくば市役所建設部公園・施設課と,AニュータウンとB団地とC団地の代表者に1時間程度の聞き取りを行った.

2, アダプト・ア・パークを利用した公園の維持管理

 Aニュータウンは記念植樹の目的,B団地は花壇用の花の提供が加入目的となっているが,本来の目的との差異が生まれている.C団地での活動は公園の清掃や美化活動のみならず、通学路の整備、高齢者住宅への支援、防犯活動など多岐にわたる地域貢献活動を行っており、公園を中心とした地域コミュニティに形成が成功している例といえる.しかし,3団体の共通点として公園自体の整備は市に大まか任せているという点がある.

 市の制度である『アダプト・ア・パーク』の本来の目的である里親制度に基づいているかどうかを聞き取り調査によって明らかにした結果,本来の里親制度としての目的とは異なる現状があることが明らかとなった.

 このように高齢化したニュータウンの公園管理の現状から,本来の里親制度を達成するためには行政による適切な支援と制度加入の厳格化などが必要となると考えられる.

 3.公園管理の課題と持続可能性「アダプト・ア・パーク」は現在参加している団体が過多状態にあり,行政の手が回りきらない状態になっている.団体の参加条件が十分に整備されていないことにより,制度本来の目的から逸脱した動機をもって参加する団体が存在するという課題が指摘される.さらに,高齢化により地域活動を行う人数の減少が避けられない現状がある.

 3団体共通して高齢化によっての管理の継続がかなり問題視されている. また,活動内容の外部委託の検討など,持続可能な管理体制の構築が求められる.今後どのように活動や制度が変化していくのかが課題としてあげられる.

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