2025 年 66 巻 2 号 p. 57-96
日本における発展途上国・地域の研究は,どのような構造をもち,どのように変化してきたのだろうか。本稿はこの課題に引用分析を使ってアプローチしたいと考えている。しかしながら,それにはデータベースの作成を含む長大な研究を行う必要がある。本稿はその第一歩として,まず2002年から2019年に発行された『アジア経済』に掲載された論文等に引用されている文献をデータベース化した。つぎにそれを使って可能な被引用文献の分析を試み,その基本的な性格(論文等1本当たりの件数,ジャーナル論文等の種類,新しさ,使われている言語など),言語による違い,2000年代と2010年代の変化,研究上のコミュニケーションの諸側面を明らかにした。また,タイトルに「中国」を含む論文等の被引用文献を分析し,全体と対照させた。