2025 年 66 巻 3 号 p. 67-87
今日のイランではイラン商工会議所およびイラン事業会議所という2つの公的事業者団体がそれぞれ輸出入事業者認定証と営業許可証の発行を介して一般の民間事業者(企業・個人事業主などを含む)と結びついている。そこには行政府がこれらの事業者団体を事業者みずからに組織させることを通じて彼らを統制・監理し,中間に配された事業者代表が両者の利害調整を任されるという構造がみられる。生産や流通といった主要な経済活動領域において事業者どうしの経営上の連携が弱く,また歴史的にも自律的事業者組織の育ちにくかったイランにあって,これら事業者団体は結果的に行政府が民間事業者の動向を把握する上で重要な役割を果たしている。