日本補綴歯科学会誌
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専門医症例報告
咀嚼困難を訴える閉塞性睡眠時無呼吸症患者に対する補綴症例
鈴木 善貴
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2019 年 11 巻 4 号 p. 427-430

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抄録

症例の概要:54歳女性.閉塞性睡眠時無呼吸症に対しオーラルアプライアンス(OA)を装着し,咬合の変化による咀嚼困難を感じたため来院.暫間補綴装置にて適切な咬合を探り,半調節性咬合器上で臼歯部の補綴装置を再製作した.その後,下顎前方移動量を1 mmに抑えたOAを新製し,3年経過後も良好な咬合・睡眠状態を維持している.

考察:可及的に臼歯部での咬合接触・ガイダンスを付与し,OAの前方移動量を少量としたことで,咀嚼困難が解消され,歯列形態が維持できているものと考える.

結論:OA使用症例の咬合治療の際には,その後の咬合の変化を最小限にするために,OAの設計を考慮する必要がある.

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© 2019 公益社団法人日本補綴歯科学会
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