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今日の食生活の変化のなかでの郷土食の位置づけを考えるため、アンケート調査により石川県の郷土料理の調理実態を検討した。調理状況では調理しているが多いのは、なすのオランダ煮、なすのそうめんかけで、少ないものは鯛の唐蒸し、鮒の甘露煮であった。また、以前は調理していたが、今は作らないというものが多いのは押しずし、えびすが、調理したことはないが、食べたことがあるでは蕪ずしがあげられた。調理法の情報源では、どの料理も母親が上位を占めているが、一部、家庭外からの情報によるものが過半数を超えるものもあった。調理しない理由として、家族が好まないからが多い料理には太きゅうりのあんかけやつる豆の煮つけがあげられ、市販調理品の利用が多い料理には蕪ずしなどがあげられた。